新しい衛星観測データの利用開始と、衛星輝度温度データのバイアス補正係数の更新について
最終更新日: 2009.6.30
2009年7月1日00Zの解析から、以下の変更が適用されますのでお知らせします。
- 新しい衛星観測データの利用開始
- NOAA-18搭載AMSU-A(Advanced Microwave Sounding Unit-A)及びMHS(Microwave Humidity Sounder)の輝度温度データ
- METOP-2搭載AMSU-A及びMHSの輝度温度データ
- EOS-2搭載AMSR-E(Advanced Microwave Scanning Radiometer for EOS)の可降水量リトリーバルデータ
- 輝度温度データのバイアス補正係数の自動更新の開始
- 近年のAMSU-Aデータに見られる、輝度温度データの低温側へのドリフトに対応するために、輝度温度データのバイアス補正係数の自動更新を開始します。なお、バイアス補正係数の更新は、毎サイクル(6時間毎)実施します。
この変更に先立って行った予備実験の結果によると、変更後のプロダクトは従来のものと比較して、以下のような違いがあることが分かっています。
- 全球平均対流圏層厚換算温度が0.1〜0.2℃高くなる(図1、2)。
- 全球平均降水量が0.05〜0.1mm/day減少する(図3、4、5)。
これらの変化は主に、気温に感度のあるAMSU-Aデータのバイアス補正係数を最適化したことによりもたらされたものと考えられます。気候の長期変化傾向や長周期変動の解析等を目的として再解析データセットをご利用になる場合には、衛星観測データの品質の変化等により、再解析プロダクトの品質に変化が生じる場合があることにご留意下さい。
図1 全球平均対流圏層厚換算温度平年偏差の時系列(850〜300hPa、Exp(赤)は予備実験を表す。)
図2 2008年7月(左)と2009年1月(右)の月平均の帯状平均した気温の緯度・高度断面図
(上:現JCDASの累年値(等値線)と平年偏差(陰影)、中:予備実験(Exp)、下:現JCDASと予備実験の差)
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図3 全球平均降水量時系列(Exp(赤)は予備実験を表す。)
図4 蒸発量と降水量の差の全球平均時系列(Exp(赤)は予備実験を表す。)
図5 全球平均鉛直積算非断熱加熱量時系列(Exp(赤)は予備実験を表す。)
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