2006/07/18 更新
このページでは、JRA-25の初期解析結果と使用上の注意点を紹介します。
JRA-25解析結果 |
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全球平均月降水量 |
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JRA-25は、降水量をよく表現している。全球平均降水量は、明らかな上昇や火山噴火による低下は見られず 期間を通して3mm/day前後で、他の再解析データと比べてもっとも安定している。 また降水量の大きさは、他の多くの再解析データと同様にGPCPやCMAPなどの”観測された”降水量に比べて大きい。 | ||||
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熱帯低気圧の表現 |
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熱低低気圧周辺風の利用により、JRA-25は、他の再解析データと比べて、熱帯低気圧が現実的に表現される。典型的な解析事例として、1990年9月における、東部北太平洋の海面気圧分布を、観測された熱帯低気圧の位置とともに示す。図では、比較のため、熱低周辺風を利用しないコントロール実験の結果も示している。東部北太平洋では、熱低周辺風による解析品質の向上が著しい。 | ||
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地上気温変化傾向 (JRA-25とERA-40の比較) |
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JRA-25のデータには、地表解析から出力される解析値も含まれる。 この地表解析は、大気の3次元変分法とは切り離されており、大気の第一推定値から診断的に求められた地表の第一推定値と種々の地上観測データから、 2次元最適内挿法で解析される。このような扱いは、ERA-40などの他の再解析でも同様である。 ここでは、地表解析からの出力要素である地上2m高度の気温について、JRA-25、ERA-40、およびCRUTEM2vデータ(以下、CRUデータ)を 比較する。CRUデータは、世界中の約3000地点の陸上観測に基づく5度毎の緯度・経度データであり、気候変動研究等において標準的に使われる観測データである。 月々の変動、長期的な変化傾向とも3データ間で良く対応している。 | ||||
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成層圏の準二年振動と半年振動 |
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JRA-25データは、対流圏界面付近や成層圏で、ERA-40に匹敵するほどの鉛直分解能を有し、成層圏の気温や東西風の再現性は概ね良好である。
10-50hPaを中心とした下部成層圏に準二年周期振動(QBO)、10hPaより上の上部成層圏に半年周期振動(SAO)が見られる。
ERA-40と比べて、QBOの位相や変動はほぼ一致、SAOの振幅も同程度であることが確認されている。 |
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JRA-25とERA-40のオゾン濃度と気温の比較 |
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オゾン濃度は再解析の成層圏の気候を左右する。 |
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JRA-25使用上の注意点 |
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また、観測データの問題により2つの再計算を実施した。1994年1月から1999年12月まではGMS-AMVが低品質であったためであり、2000年1月から2002年1月までは熱低周辺風データのY2K問題による。 このため、2000年1月と2002年2月初めにも小さな不連続がある。 | ||
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参考文献 |
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(ERA-40), Extended abstract of 25th Conference on Hurricanes and Tropical Meteorology, 261-264.
in the Japanese 25-year reanalysis (JRA-25), J. Meteor. Soc. Japan, in press.
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